普通のウィッグなら見た目の美しさや個性を楽しんでしまえば良いのですが、それと同じように医療用のウィッグを選んでいたらとんでもないマイナスを背負い込むことになります。
抗がん剤治療で医療用ウィッグの着用を経験した私の体験からすると、「見た目は2割、機能性・つけ心地7割、衛生面・ケア1割」といった感じでしょうか。見た目で重要なのはつむじの出来具合と髪の植毛バランス(色合いの自然さ)です。この2つが満たされていればほぼ大丈夫。
人から見られても不自然には映らないはずです。私は“髪は単色でできている”と思っていましたが、専門家や美容室のスタッフによると、少なくても3種類~4種類の異なる色が混じってできているのだそうです。
私が2度目の買い換えを経ていま被っているウィッグは、アンベリールのシルフィというウィッグで、その会社によると手植えの髪の色を6色程度ミックスさせて、グラデーション効果が出るように工夫しているとのこと。それで全体に陰影のあるきれいな輪郭が生まれています。つむじは総手植えであれば自然な形ができているはず。
機械で植えた大量生産の安いものには、そもそもつむじという存在がありません。
ファッショッン用なら機能性は二の次にできますが、“ズレたら困る、蒸れたら困る、フィット感がないと話にならない”のが医療用のウィッグです。
治療中は体力が低下していますが、それを押してでもリハビリを行って体力を回復させておきたいのが本音です。だいたい3日間リハビリをサボると、ふくらはぎの筋肉が緩んで足下が心なしか頼りなくなります。
そんなとき、フィット感のないウィッグなら簡単にズレてしまいますし、緊張で汗をかくのでウィッグの中はグズグズになります。病院でこまめに洗うことはできないので、陰干しをするのがせいぜい。それでカバーできるウィッグというと、通気性がよく、衛生面でも心配のないウィッグということになります。付け足して言えば軽さも大事。
いまどきはポリウレタンやシリコンではなく、ネット構造(シルフィ)の軽量なウィッグが考案されているので確かめてみてください。試着時には何回も被って確認し、外出もしてみましょう。