医療用のウィッグは試着が大事だということは、あちらこちらで言われるようになったけれど、それでもまだ、「試着は鏡を見て、自分に似合うかどうかを確かめる程度のプロセスにすぎない」と思っている女性が多い。失礼な言い方になるが、こういう女性に限って、購入してしまってから「このウィッグ、フィット感が悪い、ズレやすい」などと文句を言い出す。ある意味でメーカーにとってはいい迷惑だ。
普通のファッション用ウィッグなら、多少ズレてもフィット感が悪くても我慢できるが、医療用ウィッグは、我慢してすませるものではない。むしろ妥協ナシでトコトン試着して確かめて、それから購入しなければリハビリや運動の役には立たない。医療用のウィッグがファッション用と決定的に違うのはそこのところ。バレないだけの出来映えも大事だけれど、医療用は自分のリハビリのために使う道具。
しかも試着は、購入するまでの段階で3回行なうのが理想的。試着はウィッグのフィット感や機能性を確かめる検証のようなものだから、必然的に3回は必要になると私は思っている。そのうえで、試着を含めたウィッグ選びのプロセスが重要になる。まず、試着の3回とは何かを以下に書いておきます。
上記にお示ししたように、試着にはそれなりの意味がある。自分に似合うかどうかなどは、それほど重要ではないので、アレンジをしてもらった最後で十分。それよりも日常使いでの試着が最重要なので、それをさせてくれる医療用ウィッグメーカーでないと十分ではない。夏でも冬でも頭皮とウィッグの間には湿気がこもり汗をかく。その状態が不快に感じるようなら、通気性が不十分なウィッグ。
次に、医療用ウィッグの選び方の手順は、「ヘアスタイル」、「ヘアカラー」、「頭のサイズ」の順が自然でいいと思う。服を選ぶのと同じ感性で、パッと見た目の印象でヘアスタイルを選びカラーを選んでみる。できればロングよりミディアムかショートのほうが、購入後の手入れがしやすいのでおすすめ。
ヘアカラーは、自分が日常的なお化粧をして外出するときのバランスで決めると良い。顔の印象が濃くなる人は濃いヘアカラー、ナチュラルメイク系の女性は薄いカラーといった感じ。ウィッグの色と顔色がアンバランスだと、ウィッグが浮いてしまって不自然でバレやすい。サイズ選びが重要なので、頭のサイズの測り方を事前にネット検索で調べておくと間違いがない。