3年ほど前から、ウィッグを着用しています。テレビの通販番組でやっていたCMの中に、『後ろの人からつむじの薄くなったところを見られているようで気になる』というセリフがありましたが、それを見ていて、「あっ、私と同じだ」と思ったのがきっかけです。女性の場合は男性と違って、一部分が禿げ上がることがないかわりに、頭の毛の全体が薄くなっていくのだそうです。私は全体に薄くなって、毛の1本1本もすごく細くなり、抜けてもそれがわからないほど、存在感のない髪の毛になっていました。つむじの頭頂部のところがとくに薄く、他人の目が気になっていました。60才で病気や皮膚の異常を患ったこともないので、自分では加齢性のものだと思っています。
しかし私が購入したのは、そのCMのウィッグではなく、普通のファッション用のウィッグでした。友人に勧められたため断りにくくなり、着け心地や機能性もイマイチでしたが仕方なく2つの製品を購入して被っていました。高価な割にフィット感がなく、私の地毛の感じとは全く異なる色味だったので、正直に言うと「着用する度にイライラしてストレスが溜まる嫌なウィッグ」になっていました。あるときインターネットで「薄毛」、「脱毛」、「原因」、「対処法」などと検索ワードを打ち込んで時間つぶしをしていたら、医療用ウィッグという項目に行き当たって、通販で試着までできる製品があることに驚きました。試着って、送り返しても文句は言われないのかしら?そんな疑問から、問い合わせてみることにしたのです。
半信半疑でした。「通販なのに試着って、どういうシステムですか?」、「それってほんとうに無料なの?」、「試着用でも新品って、送り返したら売り物にならなくなるじゃないの?」、「送り返しても違約金とかはないのね?」、「返送料無料ってほんとうなのね?」、とにかく思っていることは何でも質問してみました。その会社の電話で対応してくれた担当の人によると、「髪形のアレンジや長さの調節などもサイトに掲載しているように無料です」というので、それにはさすがにビックリしました。アレンジを行なって自分用に製品の髪を切ってしまったあとでも、気に入らなければ送料無料で送り返してもらっていいと言うのです。
医療用ウィッグの役割というのは、病気や事故による脱毛などで苦しんでいる人たちの手助けになることが第一で、それが果たせずに利用者に不満が残った場合には、会社の責任として、今後の参考事例にさせてもらうとも語っていました。購入希望者とのやりとりも、研究開発の大事な資料になるのだそうです。そこまで聞いて、少し信じられる気になったので、私はその会社が販売している「シルフィ」というウィッグを取り寄せて試着してみることにしました。
価格も市販のものより全然安かったので、品質的にどうかなという気持ちはありましたが、送られてきたウィッグの着け心地は軽くて重量感がなく、ウィッグの裏側にある特殊なネットのせいか、ズレたり歪んでしまったりといったことがありません。髪の色も色別に濃淡の度合いが細かく分かれていて、これまで被ったウィッグの中ではもっとも地毛に近いカラーを手にすることができました。薄毛だった私が急にフサフサになるのは不自然なので、ボリューム感を抑えてもらって、私の癖毛にあったカールをプラスしてもらいました。通販でここまでやってもらえることに感謝です。ありがとうございました。