何故、医療用ウィッグには、試着サービスが必要なのでしょうか?もちろん、お客様に確信を持って、レンタル及び購入をしていただくのが、理由です。では、お客様が確信を持つに至る、決定的な要素とは何でしょうか?
それは、何と言っても、自前の髪の毛に限りなく似ている、という要素でしょう。事実、医療用ウィッグを購入しても、自分の髪の毛の色とあまりにも違うと、違和感を覚えてしまうという、お客様からの声は多いのです。
これでは、せっかく医療用ウィッグを制作しても、本来の目的から離れてしまします。だからこそ、お客様に試着により、自毛との違いのなさを、納得していただく訳です。
それにしても何故、医療用ウィッグに於いては、自毛への限りない近さが、目的とされるのでしょうか?それではこれより、ご説明をしてまいりましょう。
医療用ウィッグは、ファッション用ウィッグとは、根本的に異なります。まず、ファッション、即ち、お洒落が目的であれば、基本の状態から限りなく変化させる行為に、心がときめくような魅力が表現される訳です。
言い換えれば、色や形等に於いて、普段の髪の毛から、どの程度変化させることに成功したか、その意外性の表現こそが魅惑の根源となる筈ですね。ところが、医療用ウィッグの場合は、全く事情が異なります。
如何に、お洒落なセンスを盛り込んだとは言え、失われた髪の代用こそが本来の目的である訳です。一時的にとは言え、奪われた頭髪の代用品である限り、元々生えていた髪に限りなく近い髪の毛が求められるのは、改めて言うまでもなく当然のことですね。 実際、髪がない事を周囲の人から勘付かれない為に、医療用ウィッグを装着する人が多いのです。
病気だという現実は、公表・非公表の有無を問わず、ある程度は周囲に漏れますから、突然に奇抜な髪型に変貌したら、「お洒落を始めたのね」と言うよりは、「髪がなくなったのかな」と思われる可能性が限りなく大きくなります。
もちろん、医療用ウィッグであっても、自毛らしさに執着し過ぎることなく、お洒落を愉しむのが上等であることは、言うまでもありません。
何も闘病中だからと言って、地味でなければいけないなんて決まりは、何処にもないのです。むしろ、病気を理由に後ろ指を指してくる人間には、派手な髪型で黙らせるくらいの気迫を持った方が、突然健康体に変貌する道が拓けるかも知れないではありませんか。
更には、医療用ウィッグを契機に、ファッションウィッグに目覚めれば、今後は素晴らしい人生の展開が待っているに違いないのです。