医療用ウィッグの試着はインターネット、お電話一本でご自宅にお届けできる!

教えてもらえない、先の見えない不安感

肝がんで入院して手術をした後に、抗がん剤の治療がはじまりました。私の感覚では、抗がん剤治療というのは症状が改善して治まったら終わりと考えていました。ところが主治医の先生に聞いてみると「焦らずに様子をみていきましょう」と言うばかりで、もう3ヵ月もつづいています。調子が良くなって一時退院しても、結局はまた抗がん剤治療ということになり、私の長く自慢だった頭髪は、見る影もなく地肌全体が丸見えになるほど脱毛したままです。

鏡の前に立つのが嫌で、家にいるときはバンダナをしたまま外出はしない、そんな日が続いていました。大好きだった手芸の会にもママさんバレーボールも欠席したままで、「私の人生は脱毛に邪魔されて終わるのか」と思ったら、そんな自分が腹立たしく、気がついたときには、ネットで「女性用ウィッグ」を探していました。ウィッグなんて初めての挑戦でしたが、どれも高価で踏み切れず、おまけに通販で取り寄せたらイコール購入、そんな感じのものが多かったんです。

ネット検索で3日目に「ウィッグ」、「試着」と打ち込んだところ、試着無料というサイトが出てきました。医療用ウィッグというのがあるのを知って、しかも試着無料で、早ければ申し込んだ当日に届く、気に入らなければ返送料無料で送り返せばいいなんて、私の中にある医療用ウィッグのイメージが一変してしまいました。

長期だからこそ一心同体の私のモノにしたい

結局のところ、医師が白状するように私に教えてくれたのは、「がんという病気には完治という概念がないのです。再発や転移があり、いつをもって完治とするかが決められないからです」という回答でした。完治がなくて「完全寛解」という専門用語を使うようです。つまりその状態になるまで、抗がん剤治療はずっと続く可能性があり、脱毛したままということです。

そうであるなら“長期だからこそ、ウィッグを一心同体の私のモノにしたい”という思いにいたりました。シフォンというネーミングの医療用のウィッグでしたが、気がつくと私は、電話口に出てこられた人に、がん患者としてのそんな思いを正直にぶつけていました。対応がとても丁寧だったのと、医療や抗がん剤、脱毛について深い知識をもっておられたこと、医療用と一般のウィッグとの違いをしっかり説明してくださったことに感銘し、これなら間違いないと試着を決めました。

カールを緩くしてもらったり、前髪を短くしてサイドの髪のボリュームを落としてもらったりと、すべてを私の髪にアレンジしてもらえました。「ずっと着け続けるのだから細かく指示させてもらっていいですか?」、そんな問答からはじまった私のウィッグ体験記、いまでは2つ目を購入して使い分けるまでになりました。日記がたまって、ウィッグ体験の本を出版したいと思うほどの記述が残っています。