脱毛してウィッグを被るという現実になったとき、『頭のほうに他人の視線がいって、見られたってかまわない』、あるいは『隠して暮らすのはイヤだから最初からカミングアウトしている』などと、開き直っている人のほうが回復・社会復帰が早いという話を担当の医師から聞いたことがあります。
担当医はさらに、『ウィッグは似合うか似合わないかを気にするよりは、フィット感や機能の充実を大事にして選んでください』とも言っていました。
多くの患者さんをみてきた医師の言葉だと思うと、そのアドバイスはとても貴重で、2年以上前の短い対話ではありましたが、私の中にはいまだにクッキリと残っています。
現代では試着無料が当たり前になりましたが、たとえば通販で送ってもらってアレンジをお願いすると、その時点で購入が前提になってしまうメーカーの製品がたくさんあります。その点も十分に確認しておきましょう。
試着無料、アレンジ(カット、ウエーブ、ボリューム調整)無料、返品無料をうたっているメーカーを前提に選んでからオーダーすべきです。私が使っている「シルフィ」というウィッグは、最初に製品を送ってくれる段階で、2つのモデルをセレクトできます。製品選びを1つに絞り込まなくていいぶん、ストレスがありません。
製品が到着したら、まず両方を試着して鏡でだいたいのマッチング感覚を確認し、あとは裏側のチェックに入ります。この時点ではアレンジされていない初期の状態なので、見た目を気にしてもあまり意味がありません。
フィット感、通気性、軽さ、工夫のポイントをチェックし終えたら、好きなほうを選んでオーダーします。もちろん2つとも購入しても、どちらか1つでも、両方とも返品してしまってもOKです。写真などを添えてアレンジ依頼しておくと、出来上がってきたときのイメージのズレがありません。