医療用ウィッグで重要なのは、「試着」、「調整カット」、「メンテナンス」の3ポイントだと私は考えています。品質がいちばんと言う人もいますが、日本製の医療用ウィッグで品質がいいのは当たり前。品質が大事と言うなら、医療用ウィッグの場合、もっと重視すべきなのは機能性です。なぜ私がこのような断定的なモノの言い方をするのかというと、過去に通販で医療用のウィッグを取り寄せてとんでもない粗悪品をつかまされてしまったからです。通販の場合は、サイトの画面上で“良さそうなウィッグ”と判断しては絶対にいけません。
とりあえずは取り寄せてからが勝負。どこまできちんと自分で検品できるか、機能性のチェックができるか、言ってしまえば自分の目利き力と判断力にかかっています。まず手でもったときのウィッグの重さを実感してみましょう。片手の手のひらに載せて、ズッシリ重い感じがあるようなら失格です。そう感じるのはおそらく人工毛が植えてあるベースと呼ばれる素材にシリコンが使われているからです。シリコンは柔軟性があって劣化しにくく、汚れがつきにくいといった利点がありますが、その反面で重たくて通気性が悪いといった弱点ももっています。リハビリを兼ねた外出で汗をかきやすく、筋力、体力が低下している患者の身体には、シリコンの重量は不向きです。
次に頭皮に直接触れる部分の、ウィッグの裏側を入念にチェックしてみましょう。網目の入ったネット構造になっていれば理想的です。指で軽く引っ張って、そのネットの伸縮性も見ておきます。硬く太いネット生地は頭皮が痛くなることがあるのでNG。適度な細さとソフトな感触があるくらいがちょうどいいです。ネットに伸縮性がないと、脱毛で変化する頭のサイズにフィットしないとか、ズレやすいことになり後で苦労します。不愉快な思いを着用中はずっと味わうことになり、結局被らなくなります。私がそのパターンでした。ついでに頭のサイズとの調整機能がついているかも確かめておきましょう。脱毛がすすむとサイズは小さくなり、発毛しはじめると頭は髪の毛で大きくなります。そのために軽く締めてズレないフィット感をつくります。
なんといってもネットは通気性と衛生面の確保の両方に通じていますから大事。髪のデザインや色などは二の次で、とりあえず見ための問題は後回しにして、機能性・性能をとことん確かめるべきです。そしてその時間を与えてくれる無料試着サービスの有無、傷みやすい医療用ウィッグの調整や修繕、いわゆるメンテナンスサービスを購入後も無料で受け付けてくれるかがキモになります。売りっぱなしで高額のウィッグを揃えているようなメーカーには、手を出さないようにしましょう。後々の付き合いを嫌がるメーカーは、それ自体が“自信がなく責任をもちたくない”何よりの証拠です。