洋服なら試着室でフィット感や着心地、色やデザインの相性などを確かめて気に入れば買う。食品なら小さく切られたものを一口食べて、おいしいと思ったら買う。試すと言う行為にはそれほどの手間も時間もかからないという意識が私たちの中にあります。
ウィッグの試着も、それと同じような感覚でいる人が多いのではないでしょうか?私がある人にすすめられて購入した「アンベリールのシルフィ」という医療用ウィッグは、その推奨人によると、「試着にうるさい前提条件や押しつけがないからいいのよ」、「試着に決められた期間がないから、体調の良い日に被って、好きなときに外出もできるわよ」というのが最大の理由だという。
「フィット感や機能性は試着した本人がどう感じるかだから、それはあなたが被ってみて、感じたまま正直に決めればいい」とも言われました。
ネットでホームページに行ってみて驚いたのは、選べるヘアスタイルの種類がものすごく多かったこと。ショートからロングまで80種類以上はあったと思います。私が選んだのは、扱いやすく全体の髪の毛の感じや仕上がりが気に入ったショートモデル。
同時に2つの製品を送ってもらえるというので、カラーリングの異なる2種類のショートを送ってもらいました。
正直に言うと「ウィッグは脱毛隠しの道具」としか考えていなかったので、このときまでの気分は消極的。どうでもいいという気持ちもありました。
オーダーしたウィッグが翌日の夕方には届いてしまって、私はその対応や配送スピードの早さに少しプレッシャーを感じていました。
友人の気持ちを考えると、「早く試着だけして決めてしまおう」と。最初に被ったときのフィットや軽さは抜群で、ウィッグの着脱も帽子を扱うように手軽だったので、私は2つのうちの1つに決めて友人に連絡をしました。すると友人は、「ソレ着けて散歩に行ってみた?」、「病院のリハビリに参加して試してみた?」、「裏側にあるアジャスターはちゃんと機能してたの?」と細かく聞いてきました。
散歩にもリハビリにも行っていないと答えると、「うるさく言うつもりはないけど、それじゃ試着していないのと同じね。何のための試着なの?」と怒られてしまいました。医療用ウィッグは患者の立ち直り、社会復帰を左右してしまう大事なツール。試着がすべてだということを初めて知りました。