いま私の手元には、価格にして数千円とか1万円ソコソコのウィッグがいくつもあります。一般用からはじまって医療用だというウィッグまで購入して、すべて並べると6種類以上になります。メーカーは別々。
「安いのでいいや」とか、「安いからとりあえず買ってみよう」といった調子で、やっぱりダメだと思ったらスグに買い替えていました。母が私によく「安物買いの銭失い」と言っていましたが、まさにその通りで、これまでにフィットする使い心地のいいウィッグを経験したことがありません。
抗がん剤治療は長くても半年程度で終わって、髪の毛が生えそろったらウィッグは不要~。だから使い捨て感覚でいたのです。そのようなウィッグは、他の方の体験談にあるような、自分を励ましてくれる存在とはほど遠いものでした。
医療用ウィッグの価格帯で、「なぜ5万円~7万円がベストなのか」というと、材料費(原価)と職人さんの手当て(給料・工賃)などを計算していくと、ギリギリ、その程度になってしまうのだそうです。
しかもそれは通販の製品という前提があるので、コストのかかるウィッグサロンなどで購入すると、同じレベルのものでも15万円~20万円はしてしまうと話してくれました。話してくれた人というのは公認会計士を職業とする人で、原価計算のプロであり、過去に大手ウィッグメーカーの会計を担当していたということなので、この話の信憑性は確かです。
正直な感想で言えば、安い5,000円や10,000万円程度のウィッグは、愛着も思い入れもないので、試着してもフィット感がなく、ズレる、重いは当たり前。「雑に扱って傷んだり汚れたりすれば捨てるのが当然と」と思ってきました。試着してガックリ!使ってみて唖然~。それでも我慢するのが医療用ウィッグだと~。しかしこれまでに購入したそのような製品の総額は、もう6万円を超えました。
通販でなら5~7万円の適正な価格で、10万円以上はする高級なウィッグが買えていました。いまさらながら反省しています。高級で名の通ったブランド品がベストではない。高すぎても安すぎてもダメだと、私はいまようやく“医療用ウィッグの適正な価格と選び方”について目覚めました。